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導入事例

アルミ、銅、ニッケル、レアメタルなどを取り扱う非鉄金属専門商社のアルコニックス株式会社。同社は長期/短期借入金の管理方法を効率化するため、SAPのソリューションをベースに日本で必要な業務に合わせて機能調整した借入金管理システムを構築した。伝票入力などの作業自動化、月次/決算期の締め処理の効率化に加え、作業の属人化解消によりIT統制を強化している。

アルコニックス株式会社様


長期/短期借入金管理の業務効率化と統制強化

アルコニックス株式会社
財務部 部長
齋藤 章三 様
アルコニックス株式会社
情報システム部 部長
森 一訓 様
非鉄金属・レアメタル・レアアースの取引で確固たるポジションを築いているアルコニックス。近年はM&Aと事業投資によって製造/ 小売事業者を傘下に収め、非鉄金属専門商社の枠組みを越えた投資戦略を推進している。同社は従来、円貨による借入金の返済期限や利息の管理にExcelワークシートを作成し、SAP ERPのFI(財務会計)モジュールに手作業で月次の伝票入力をしていた。「借入金管理に関わる人数は限られており、本来チェック役である私自身が伝票入力を行っていたので、統制上望ましい状態とは言えませんでした。また、手作業はミスが発生する可能性も高くなります。2010 年に東証一部に上場したこともあり、 上場企業として正確性、統制を強化しなければならないと考えていました」と、財務部 部長の齋藤章三氏は振り返る。借入金管理システムの導入を検討した同社は、SCSKの提案を受けSAPの財務/ 資金管理およびリスク管理ソリューション「SAP Treasury and Risk Management」を採用した。齋藤氏は「借入金管理に関わるシステムの構築経験があるSCSKのノウハウに期待しました」と語る。 情報システム部 部長の森一訓氏も「SAP ERPとの連携において、他社製のシステムよりSAP Treasury and Risk Managementが有効だと考えました。また、SAP ERP 導入から当社のシステムに関与してきたSCSKなら、当社の業務への理解度も高いと判断しました」と語る。

標準機能を活用しながら日本独自の管理要件に対応

SAP Treasury and Risk Management は幅広い金融商品取引を登録し、資金・債務を一元管理できるソリューションだ。しかしアルコニックスはシンプルなシステム運用を目指し、プロジェクトのスコープを「借入金管理」に絞った。プロジェクトは2013年10月にキックオフし、2014年1月中旬にカットオーバーを迎えている。標準機能を活用してアドオン開発は最低限に抑え、運用面の工夫で同社の業務に必要な仕組みを成立させた。「たとえば、SAP Treasury and Risk Managementは日本独自の『両端計算』に対応していませんが、入力時の工夫によって両端計算であることがわかるようにしました。勘定科目に関しては、SAPが推奨する形式に運用を改め、仕訳方法自体を標準機能に合わせています。運用上の変更には、借入金管理業務に関わる人数が少なかったことが幸いしました」 (齋藤氏)導入プロジェクト全体について森氏は次のように評価する。「SAP ERP 導入から関わってきたSCSKメンバーがいてくれたことで、

予算とスケジュールに合ったシステムを構築することができました。基幹システムから借入金管理までSCSKがカバーする保守体制により、トラブル時の原因究明もしやすくなっています」このプロジェクトで構築したSAP Treasury andRisk Managementベースの借入金管理システムは、SCSKの借入金管理テンプレート「Treasury-Box」としてリリースされた。日本企業の業務に合わせて、アモチゼーションに対応した「長短振替処理」や、支払利息等の未払費用をFIモジュールの支払処理から支払うことができるよう対応したほか、外貨の切り捨てによる端数処理の機能を設定した日本仕様のテンプレートだ。業務要件に対応する多くの機能には、アルコニックスの助言が活かされている。

管理作業の属人化解消とともにIT統制を実現

新システムの導入により、アルコニックスの業務は大幅に自動化された。手作業が発生するのは新規の借入を起こすときのみとなり、SAP Treasury and Risk Management 上で各月の返済スケジュールを財務部員がチェックし、処理を実行するだけで長期/ 短期の借入金がSAP ERP(FI)に計上される。 齋藤氏は次のように評価する。「今まで決算期になると、1日12 時間、丸2日は伝票入力の処理に追われていましたが、その負荷が大きく減りました。自動化により伝票入力のミスがなくなったほか、作業を一般社員が行えるようになり、属人化も解消しています。私自身はチェック役に回り、財務部全体の管理という本来の役割に時間を割けるようになりました」 また、恣意的な作業が行われるリスクも排除されている。現在はワークフローシステムで上長の承認を経なければ、借入金の伝票はSAP ERPに計上されない。「借入金管理は当社全体から見るとIT 統制の対象範囲外ですが、業務自体が可視化され、不正が起 こりうる環境をなくすことで、統制強化につながっています」(齋藤氏)

新システムの機能強化により金融商品取引の範囲拡大へ

アルコニックスでは今後、今期の利用を見送った「時価評価」の機能を追加し、監査法人からのお墨付きを得たうえで、来年度の決算処理から実施する予定だ。「時価評価の自動化は、借入金管理システムを導入する動機の1つでした。現在は、決算期にExcelを使って手作業で一括変換を行っていますが、約50本もの長期借入金の時価評価を手作業で間違いなく行うには相当の負担がかかります。そのためにも監査法人が認める機能を整備し、業務を改善していきます」(齋藤氏)  長期的にはシステムで管理する金融商品取引の範囲を、インパクトローン、外貨借入、デリバティブ、定期預金などに拡大し、資金調達管理業務を効率化していく構想を描いている。 借入金商品の取引管理やSAP ERP への自動仕訳計上、経過利息の自動仕訳などを備えた「Treasury-Box」は、短期間かつ低コストで借入金管理を行いたい日本企業にとって強い味方になるはずだ。

弊社担当者(SE)

ERPソリューション第一事業本部
ビジネスソリューション部
シニアコンサルタント
澤 良太郎
ERPソリューション第一事業本部
ビジネスソリューション部
シニアコンサルタント
梅園 茂宣